Side Niflheim

そこは深い森の奥、ニフルヘイム。
人間の住む世界ミッドガルドでは、『真っ暗い霧と氷の国』としてその存在を畏れられていました。
その、光りさえ届かないニフルヘイムの森のなかで唯一、天上からほのかに灯かりを受け、穢れなき神水が流れ満ちる湖畔に、大きなおおきな一本の樹木がありました。
その樹木に水をやるのは髪の長い少女、『マリア』。湧き出る水を両手ですくい、根元にふりかけます。
そうすることで生まれる糸を紡ぐことが、彼女のお仕事でした。